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Notes
"ここケンブリッジは水が硬い。
イギリスやヨーロッパは軒並みかと思っていたら、
イングランド内でも北(北西)にいくと軟らかいらしい。
湖水地方などは軟水だ。
スーパーで洗剤の箱にそう書いてあるのを見つけ、
ショックのあまり、思わず手にとってしげしげと見入ってしまった。
なぜショックか。
水が硬いといろいろと面倒なことがあると、軟水育ちの私は思うからです。
同じイギリスでももっと北に住んでいたなら、水問題は何もなかったのねぇ~。
(ほかの問題が満載であろうことは目に見えるが、この際無視する。)
硬水でも水道水を飲むことはできるし、紅茶には向いているという話もある。
健康に良いとさえ言われている。
でも、カルシウム塩やマグネシウム塩が多いこの水は、乾くとものすごく結晶が残るのである。
引っ越してきたときに感じたシンクや食器の汚さの一因はこれだったのだ。
掃除すれば落ちるけれど、一度水に濡れればまたすぐに白い水垢がくっきりつく。
でも、シンクや食器は大した問題ではないし、仕方ないことなのであっさり慣れてしまった。
今では大して掃除もしない(堂々言うことでもないけれど)。
しかし水の硬さは、当然これに止まらず、
お茶、コンタクトレンズ、お風呂や水道管、洗濯と
日常生活全般に影響を及ぼしていたのである。
【お茶の話】
硬水でお茶を入れると表面に膜ができる。
電気ポットや鍋にも石灰分がこびりつく。
これを解消し、水道水をおいしく飲むためにフィルターが売られている(ドイツ製)。
蛇口へ取り付けるのではなく、水を一度大きなジャグへ入れて濾過してから使うのだ。
これを購入してこの問題は解決。それからは、おいしくお茶を飲めるようになった。
【コンタクトレンズの話】
正確にはコンタクトレンズケースの洗浄についての話である。
私は使い捨てのソフトレンズを使っているのだが、
何も考えずにレンズケースを水道水で洗っていたら、レンズの装用感が悪くなった。
洗浄液の説明書をよく見ると、そこにばっちり書いてあったのだ。
水道水でケースを洗ってはだめと。
嗚呼、こんなところにまで硬水の悪戯か。
以来、なんとレンズケースはミネラルウォーターで洗っている。
ミネラルウォーターも硬水だという話もあるけれど、レンズは無事に使えております。
【お風呂の話】
お風呂の蛇口にも排水口にも、白い石灰の塊がついている。
そして、バスタブにお湯をはっているとなぜか蛇口から小石が出てくる(これは別の問題か?)。
シャワーヘッドは掃除しないと水の出る穴がふさがってしまうらしい。
(でもうちには掃除に必要なシャワーヘッドのキーがない・・・これも別の問題だけど。)
【水道管の話】
3日ほど家を空けたことがあった。
帰ってきたら水道管の接続部分から少しずつ水が漏れている。
なぜ?この前まではそんなことはなかったのに・・・。
原因を究明すると、やっぱり水が硬いせいだった。
水を流さずにいると水道管内でカルシウム分の結晶ができる。
水のたまりやすい接続部分では結晶も多く、
それがねじをこじ開ける形になって水が漏れてきたらしいのだ。
軟水王国日本では想像もできない事態。
でも、見てみるとうちの水道管は軒並み塩ビみたいなものでできている。
ということは、どれも接続部が結晶にこじ開けられる可能性を秘めている。
この事態をイギリス人は気にしないのだろうか?
結論としては・・・たぶん気にしないだろう。私も今はもう気にしない。
なぜなら。
水を使い続けているうちに結晶は溶けていったのだ。
そして、水道管のジョイントも何事もなかったかのように縮み、水漏れはとまった。
今にして思えば、これってものすごーくイギリスっぽさが垣間見える出来事だ。
ヒトだけじゃなくて水道管までも・・・
「まぁ、そのうち何とかなるさ、ほら?何とかなったでしょ。じゃぁ、もういいじゃん」みたいな。
【洗濯の話】
広辞苑で「硬水」をひくと、ばっちりと「洗濯に向かない」と書いてある。
そのとおりと膝を打ってしまうくらい、実際、硬水は洗濯に向かない。
白い衣類は洗濯のたびに黒ずんでいく。
白いものだけを集めて洗っても抵抗むなしく洗いあがりは薄いグレー。
インターネットで先達の言葉を見聞きするうち、
私の洗濯にいくつか問題があることがわかってきた。
問題1 洗剤の量が少なかった
日本と比べるとイギリスの洗剤は箱が大きい。
一回の洗濯に要する洗剤の量が多いのだ。
私はなんとなくたくさん洗剤を入れるのが嫌で
(絶対こちらの洗濯機はすすぎが甘いと思うから。)、
またいちいち電話して計量カップをもらうのが面倒で
(日本のように一緒に入っていない)、
適当に入れていたのだった。
第一、泡が出るほど洗剤を入れるというのは、日本の感覚ではいれすぎではないですか。
「おかしいなぁ、泡が出ないなぁ」って洗剤をどばどば入れて困ったことになるのは
洗濯をしたことのないヒトの典型として、ドラマなどでも出てくるではないですか?
問題2 洗剤しかいれていなかった
先達の言葉によれば、水を軟化させる錠剤を入れるとよいらしい。
私はスーパーの洗剤売り場を歩いても、
自分のほしいもの以外にはまったく興味も抱かずに通過していたのだった。
問題3 黒ずんでもそのまま洗濯を続けていた
黒ずんだ洗濯物を白くするためには、更なる洗濯ではなく(これでは悪化させるだけ)、
これまた新たな洗剤が必要であるらしい。
こうして私はスーパーの洗剤売り場を探索することになった。
郷に入っては郷に従え。
根拠もないくせに自分の経験をゴリ押ししてはいけないのだ。
今では固形の洗剤(カップで量る必要なし)とcalgon(水を軟化させる錠剤)を用い、
元白い服を集めてはGLOwhiteを入れている。
そして、イギリスでは白い服は買わないと決めた。
大変な進歩だ。
硬水で洗濯をするために必要なもの。
それは、各種洗剤会社への投資なのだった。
"